割増賃金の具体的な計算
では、例えば25%や35%の割増の基本となる給料は、具体的にはどのように計算するのでしょうか。
一般的な企業では、賃金の定め方として、月給制が多く採られています。この月給制の場合、残業代・割増賃金の計算は、まず、月の賃金を月の所定労働時間で割ることからスタートします。
月の賃金÷月の所定労働時間=1時間あたりの賃金
月ごとの所定労働時間
所定労働時間については、例えば、1日8時間の労働を1か月に23日行った場合であれば、184時間が所定労働時間になります。
月ごとの賃金
そして、月の賃金とは、基本給や役職手当などの合計を言いますが、この計算には、家族手当、通勤手当、住宅手当、精勤皆勤手当、賞与などは含みません。つまり、仕事内容に対する賃金のみが対象になり、生活状況に関するもの(家族手当や通勤手当)や1か月を超える期間に対して支払われるもの(賞与)は含まないということです。
ここでようやく具体的な計算が可能に
以上の計算から、まずは1か月の給料における1時間あたりの賃金が算出できます。これを基礎として、残業代について割増賃金を適用して計算していくわけです。
また、実際に支払いを受けるのは、割増しした賃金を加えたものですから、25%の割増分だけではありません。その時間に対する通常の賃金100%と、これに25%を割増しする必要があるため、残業時間に対してその125%分となります。