公判
公判とは、弁護士・裁判官・検察官が出席している法廷にて、法律で定められた手順にしたがい、主張された事実・提出された証拠を吟味し、真実を明らかにする手続きをいいます。
公判手続は、以下のような流れで進んでいきます。
冒頭手続
冒頭手続は、人定質問により始まります。人定質問とは、裁判長が、被告人に対し、名前や生年月日、住所などを質問し、目の前にいる人が被告人本人であることを確認する手続きです。
次に、検察官が起訴状を朗読します。
その後、裁判長から、被告人に対して、黙秘権があることの告知がされ、検察官が読み上げた起訴上の内容を認めるかどうかを聞かれます。検察官の主張通りなのか、それとも事実は違うのか、ということを主張できるわけですので、ここでこれから始まっていく裁判のおおまかな流れが決まってきます(検察官の主張どおりに流れていくのか、完全に対立して正面から争っていくのか)。
証拠調べ手続
冒頭手続が終わると、次は証拠調べ手続に入ります。証拠調べ手続では、まず検察官が冒頭陳述により、どのような事実を証明したいのかを主張します。
そして次に、そこで主張した事実を証明するためにどのような証拠を提出したいのかを、証拠調べ請求で主張します。この証拠調べ請求の中で、今後どの証拠を吟味すべきかが決まります。
証拠調べ請求された証拠の中から吟味すべき証拠が決まると(証拠決定)、今度はその証拠について吟味していき、何が真実なのかという心証を裁判長が固めていきます。
この証拠調べ手続全般が最も重要で、時間のかかる手続きになります。
弁論手続
証拠調べ手続きが終わると、弁論手続きに入ります。
ここでは、検察官が「どのような刑を科すのが妥当か」という意見を言う論告・求刑が行われ、それに対して、弁護人から被告人の汲むべき事情の意見が主張されます。
そして最後に、「何か言いたいことはありますか」と、被告人に発言する機会が与えられます。
判決
そして、公判の最後には、判決が言い渡されます。
判決とは、被告人に対して、裁判所が決定した処分を言い渡すものです。
この判決は、大別すると2つに分かれます。
実刑判決
実刑判決とは、判決が下ると直ちに刑が執行されるものをいいます。例えば、懲役刑が言い渡された場合には、そのまま刑務所に収監されることになります。
執行猶予付判決
執行猶予付判決とは、刑の執行に猶予期間が付けられているものです。その猶予期間内に何事もなく模範的に過ごせていれば、宣告された刑の執行はされずに済むわけです。
もっとも、執行猶予期間中に他の犯罪を犯してしまうと、原則として執行猶予は取り消され、刑の執行がなされます。