自筆証書遺言の作成に関する民法改正
2018/12/03 カテゴリー: 相続・遺言コラム
自筆証書遺言に関して昨年民法が改正されました。
これまで自筆証書遺言を作成する際には、遺言を作成する方が、その全文、日付及び氏名を自書したうえ、印を押さなければならないとされていました。
このように、改正前の民法では、自ら遺言書を作成する場合には、パソコン等を用いて作成することは出来ませんでした。
今回の改正でも、遺言書の全文、日付、及び氏名を自書したうえ、印を押さなければならないという点について、変更は加えられませんでしたが、遺言に添付する相続財産の目録について、新たな条文が設けられました。
新たに設けられた条文(民法968条2項)では、自筆証書に一体のものとして相続財産の全部又は一部の目録を添付する場合には、その目録について自書することを要しないこととされました。
この条文により、改正民法が施行された後に自筆証書遺言を作成する場合には、相続財産の目録について、パソコン等を用いて作成したものを添付することができるようになりました。
なお、作成した目録の全てのページ(両面印刷の場合には両面とも)に署名、押印しなければならないとされています。
これまでは、相続財産が多岐にわたる場合でも、自筆証書遺言を作成する際には、全て手書きする必要があり大変な労力がかかっていましたが、今後は、相続財産の目録については手書きの必要がなくなりましたので、幾分か作成の労力も減ることになるでしょう。
なお、ここまで述べた点については、平成31年1月13日から施行されることとされていますので、現時点で自筆証書遺言を作成する場合には、遺産の目録も含め全文自筆する必要がありますので、ご注意ください。