養育費と婚姻費用の金額
現在の家庭裁判所の調停や審判では、夫婦、お互いの収入の額や子供の人数・年齢に応じて、一定の基準を設け、これに従って養育費や婚姻費用(別居中の生活 費)の額を決めようとしています。その基準表を紹介しますので、この表の見方に従っておおよその額の目処を立て参考にしてください。
【表の見方】
①表の縦軸に「義務者」の年収、横軸に「権利者」の年収が記載されています。ここで「権利者」とは、養育費などを請求できる人で、「義務者」とはこれを支払う義務を負担する人です。
②たとえば、次のようなケースの場合を想定します。
子供が一人いる。
その子供の年齢が離婚時に10歳である。
妻(子供の母親)が親権者となる。
夫(子供の父親)の年収が500万円で、妻の年収は100万円である。
※年収とは「支払金額」にあたる額で税金などが控除される前の額です。
③この場合は、表の右上に「表1 養育費・子1人表(子0~14歳)」と書かれている表のケースにあたりますので
a)まず、妻の年収が100万円ですので、この表の横軸の【権利者の年収】と書いてあるところの「給与」の「100(万円)」というところをとり、ここから上に向かって線を引きます。
b)次に、夫の年収が500万円ですので、縦軸の【義務者の年収】と書いてあるところの「給与」の「500(万円)」というところをとり、ここから横に向かって線を引きます。
c)そして、aとbの線が交わったところを見ますと、そこは「4~6万円」と書かれている帯の中にあり、ちょうどこの帯の中間くらいの位置にありますので、結局養育費としては月額5万円が適正額ということになります。
④なお、子供が2人いる場合は表などを使用しますが、ここに書かれている、例えば「4~6万円」と額は、1人当たりの額ではなく、2人の合計額ですので注意してください。
⑤離婚費用の場合は、表の右上に「婚姻費用」と書かれている表を見て、養育費と同じように算定してみてください。
⑥なお、この表によって算定された額は、あくまでも「一応の基準」ですので、この額が確定されるものではないことに注意してください。たとえば、子供が持病を抱えており普通の子供に比べて医療費がかさむとかいうような場合には、この額が増額されます。