自筆証書遺言による場合
次に、自筆証書遺言による場合の手順については、以下のようになります。
①道具を準備する
まずは、遺言書を書くために必要となる道具を準備します。具体的には、紙、封筒、ペン、印鑑を用意します。それぞれについて、「このようなものでないとダメ」という指定は特にありませんが、以下のようなものがおすすめです。
なお、現在は遺言キットのように必要書類一式がセットになっているものも販売されていますので、それを使用することもできます。
②まずは下書きから
いきなり清書をせずに、まずは下書きをしましょう。
間違えてしまった場合には修正することも可能ではあるのですが、遺言の修正については厳格なルールが法律で定められていて、そのルールを守らないと修正は認められません。ですので、間違えを修正したい場合には、むしろ書き直してしまった方が早いこともあります。
そこで、そもそも修正しなくて済むように、まずはしっかりと下書きを作ることが大切です。
③丁寧に清書を
作成した下書きを元に、ゆっくりと丁寧に清書をします。
自筆証書遺言については、以下のルールを厳守していないと、有効な遺言として認められませんので、この点については細心の注意を払って下さい。
④封筒に入れて封をする
全て書きあげたら、後から偽造や改ざんを疑われないように、封筒に入れ、遺言書に押した印鑑を使用して封印します。
※法改正により、自筆証書遺言について、希望すれば法務局にて保管してもらえるようになります。法務局にて保管してもらう制度を利用する場合は、封筒に入れたまま封をせずに法務局まで持参します(この改正法は2020年7月10日に施行されます)。
⑤保管
最後に、封をした遺言書を保管する場所を決めましょう。
保管場所については、いざ探してみるとすぐには思いつかないかもしれません。すぐに遺言が見つかってしまう場所では、内容を見られてしまう可能性がありますし、また、最悪の場合、破棄・改ざんされてしまう可能性もありますので、望ましくありません。
かといって、相続時にすぐに見つからない場所にしまってしまうと、せっかく書いた遺言書が誰にも見つからずに、相続に自身の意思が反映されないこともありえます。
※なお、上記の通り法改正により、2020年7月10日から、法務局にて自筆証書遺言を保管してもらえるようになります。数千円の費用がかかってしまいますが、遺言を確実に残しながら相続時にはちゃんと見つけてもらえることを考えると、こちらの制度を利用することもおすすめです。